生き地獄

先日、特別養護老人ホームに入所している父親に面会に行った際に言われた言葉。

死にたいという父親に対し、死なないで欲しい。私や兄貴、母親はもちろん、妻も娘もその他たくさんの人も死なないで欲しいと思っているよ、と伝えはしたものの父親の言う「生き地獄」という言葉の前には私の言葉など上っ面過ぎて、軽く吹き飛ばされてしまった。

筋力が徐々に弱まる病気に老衰が加わり、ちょうど施設に空きができたというので、入所ととなった。

入所の前日、私の家族と一緒に牡蠣鍋を囲んで一緒に食事をしたのに、今では嚥下がほとんどできなくなり、自分が食べたいものも食べることも出来ず、毎日形のない流動食。

少し話をしていても痰が絡んでも自分で満足に取り除くこともできず、苦しそうにしている父親。寝ているときに痰が絡んだらと想像するだけで自分の息が苦しくなる。

施設のサービスは一般的なレベルなのだと思うが、筋力が無く自分の身の回りのことが全くできない父親にとっては、生きていても、食べる喜びもなく、家に帰ることもできず、まさしく生き地獄なのだろう。 多少なりとも将来に希望が無いと生きていけないものなのか。

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